不登校 第4段階

第四段階 エネルギー再活性期

第三段階を過ぎると、何かしたくなるエネルギー活性期がやってきます。前述のお風呂に入りはじめた、ゲームをし始めた、などの行動が見られるようになったら次の段階に入ったと思ったらよいでしょう。昼夜逆転という状況もこの時期に入ったサインです。

不登校や引きこもり初期の時は、枯渇したエネルギー(元気さ)を回復する時期なので、特に何かをさせる必要はありません。

エネルギー補充期が終了した最初の段階では、家でできる何か決まった事がよく、無理のないもの、簡単にできることが適しています。例えば、食事の支度(後片付け)を手伝う、洗濯物をとりこむなど家の中での役割をひとつ決めそれを実行する、というようなものです。それを順に増やしていくとよいでしょう。注意点として、決めたことに対しては責任を持ってやらせる、安易に親がやってしまわない、ことがあげられます。親が変わりにやってしまうと最終的にやらなくなってしまいます。これもよい機会ととらえ、自分も家族の一員として責任があることを教えていきましょう。

「家事の分担」など当たり前すぎたり、簡単すぎたりと思うかもしれませんが、「やらなければいけない」ことを「毎日やる」ことが義務的なことに対応する力を育むこと、努力することの練習になります。そして簡単だからこそ努力が報われる体験や達成感を得やすいという利点があります。もうひとつの利点として、親から信頼され当てにされた嬉しさと家にいる申し訳なさの軽減です。

その時の注意点として、必ずやったこと・結果をほめてください。服のたたみ方が雑、やり方が違うなど、過程について注意する方がいますが、まず過程よりそれをやったことを承認することが重要です。その次に直してほしいところを伝えます。そのときも「ありがとう、とても助かったよ。この次にやるときはここをこういうふうにしてくれるともっとよくなるよ。」と伝えてあげてください。決して「あなたのやり方はよくない」という否定することはしないようにしてください。

昼夜逆転について少し述べておきます。昼夜逆転というのは文字通り生活リズムが逆転していることですが、朝方に寝付くということがポイントです。朝というのは人が活動を開始する時間です。不登校の子にとっては一日の中で一番苦しい時間です。他の人たちが普通にしていることを自分はできないということをイヤでも意識しなければならないからです。それを避ける方法として一番いいのは寝てしまうことというわけです。それが繰り返されてリズムが崩れてくるという仕組みです。また夜というのは家中寝静まります。親とも顔を合わせなくて済むので、気が楽だということも関係しています。

子どもというのは何かやりたいことが見つかったら、昼夜逆転生活は自ら戻していこう努力し始めます。ですから信頼してあげてください。

【家庭での取り組み】

母親的役割

  • 毎日できる仕事(家事など)を与える
  • やったことは承認し、ほめる
  • やっていなくてもすぐに手を出さない
  • 昼夜逆転の場合、朝一度は起きるように声をかける(たとえ起きなくても声かけは3回まで)

父親的役割

  • 家で子どもと一緒にできること -ゲーム、将棋、料理、ジョギング等のスポーツ、日曜大工等- に子どもを誘う
  • 自分がわからないものの場合は子どもに教えてもらう
  • やったことを承認し、ほめる