不登校 第3段階

第三段階 エネルギー補充(無為)期

この時期は、先の第二段階と全く違って、何もしたくないといった状態でただただ寝ているという時期が訪れます。

よく保護者の方が「よくあれだけ眠れるな」「一日中寝ているんです」と困り果てて相談に来られる時期です。外側から見たら、寝ているだけ、怠けているだけ、のように見えますが、実は子ども達の中で枯渇したエネルギーを補充している時といえます。みなさんも疲れたとき、一日の疲れを取るために夜寝ますよね。普段でしたら一晩寝るだけで回復しますが、ずっとがんばってきた子にはそれだけではまったく足りません。彼らは予備のエネルギーまで使い果たしてしまっている状態です。周りから見て驚くぐらいこの時期は寝ます。

心配でしょうけれど周囲の人間は無理やり起こすのではなく、「こんなになるまでうちの子はがんばってきたんだな」と見守ってください。そして、この子にはそこまでがんばれる力があるんだと思えるようになっていただけたらと思います。

それから起きていても何もしたくないと言って一日中ボーっとしている子もいますが、これも怠けではありません。エネルギー切れで動きたくても動けない状態なだけで、そのような時はいろんなものへの興味も持てなくなります。入浴回数も減ってくるのもこの時期です。入浴という行動は実はとてもエネルギーのいる行動です。お風呂に入りはじめたら少し回復してきたという合図になります。

また部屋を真っ暗な状態にしてこもるのもこの時期です。カーテンをきっちり閉め昼間でも絶対に開けない、部屋の中に更にテントのようなものを作る、本やCDなどを使って入り口付近にバリケードを作るというようなことをするのもこの時期です。

子どもたちのこの行動を理解していただくために、「こころ」の教室に参加していただいたお母さん方に大きなダンボールに入る、という体験をしていただきました。皆さんの反応は「意外に落ち着きますね」というものでした。体験して初めてお子さんの気持ちや行動がわかったとおっしゃっていました。狭くて暗い場所というのは『母親の子宮』をあらわしています。そこは子どもたちにとって一番安心できる場所です。そういう場所を自ら作り、その中で充電しているわけです。皆さんもご自宅で押入れ、戸棚、大きなダンボールなどを利用して体験してみてください。注意点:閉所恐怖症の方はやらないでください。

【家庭での取り組み】

母親的役割

  • 無理やり起こさない
  • 心配しすぎない
  • 食事等の世話などは通常通りする-支度ができたら本人が食べても食べなくても普通に声をかける

父親的役割

  • 子どものテリトリー(部屋など)に無理やり入らず、ドアの外から「おはよう」「おやすみ」等の声をかける。その際、返事がないのが当たり前ととらえる