第七段階 完全登校社会復帰期
この段階に入って、安定して学校へ通えるようになります。進路変更をして新しい生活を始める方もいます。どちらにも共通しているのは安定して生活ができるようになったということです。
ここまで来るのにかかる時間は○年ですとは残念ながら言うことができません。本当に人により様々です。わたしが出会った子で本当に早い子は三ヶ月、長い場合八年間という時間が必要だった子もいました。
復帰するのに早い方がいいと思いがちですが、時間の長さより質の方が重要です。ここで時間がかかったとしても、自分自身と向き合っておくとその後の人生で問題が発生しても乗り越える力がついています。
逆にとにかく学校に行ってくれたらいいと、無理をかけるとその後小さな問題や似たようなことが起きた時、また休みがちになる可能性があります。
今は進路選択も多様化しておりますので、焦らず親子ともどもじっくりとこの不登校・引きこもりという状況に取り組んでほしいと思います。その際、周囲の目や声に巻き込まれる可能性もありますので、専門家(カウンセラー)に相談しながら進めていくことをお勧めします。
ここまで読まれて気づいた方もおられると思いますが、この過程は子どもの誕生から保育園や幼稚園、小学校へ入るまでのプロセスと同じようなプロセスをたどります。つまり不登校というのは、再誕生と成長のプロセスともいえます。
一般的に子どもから大人になる時期というのは、出会ったある女の子の言葉を借りると「自分がバラバラになってしまいそう」な時期です。それほど不安定な時期ということは、外界からの少しの刺激にも過敏に反応してしまう子もいるということです。もう一度自分というものや自分の価値観を確認したくなる子もいます。そしてそれはとても時間がかかることです。一度そのような視点からお子さんを見てください。
【家庭での取り組み】
母親的役割・父親的役割
- この段階まできたら当たり前のことはほめない
- 努力したこと(結果ではなく行動そのもの)をほめる