通信制高校ってどんな学校?
「毎日通学するのが難しい」「家から出られない」「勉強が分からない」「高校に友達がいない」「イジメがある」等、いろいろな状況が重なり「毎日通学するのが難しい」人にとって、通学日を選択したり、在宅しながら学べる「通信制高校」は最適です。
通信制高校を卒業すれば、全日制高校を卒業した人と同じ「高校卒業資格」を取得することができ、大学進学もできます。
しかし、現在は全日制高校のように毎日通学するスタイルの通信制高校もあれば、「週に何回」というように登校日を選択するスタイル、教師が自宅を訪問する個別指導スタイルなど、学校によって様々な形態を取られています。
また、通信とういう特性を活かし、専門性のあるコースを設置している学校が多くあり、一般の高校よりも、「アニメ・ゲーム」分野、ヘアメイクやデザインなどの「美容」分野、WEBデザインなどの「PCクリエイティブ」分野など、時代性に合ったユニークなコースが設けてあるのが特徴です。
通信制高校は、高校卒業資格取得だけでなく、将来の夢をサポートしてくれる体制も充実しています。
◆通信制高校にはどんな人たちが通っているの?
通信制高校は、公立が各都道府県に1~4校、私立が163校で、18万人(全日制高校に通えない事情を抱えた、15歳から60歳以上まで幅広い年齢層)の人が学んでいます。
その中でも、在籍者の79%が20歳未満の生徒が占めおります。しかも15歳~17歳が大半をしめているのが現状です。
(2015年12月25日 公表 学校基本調査より)
◆通信制高校のメリット
通信制高校の大きなメリットは、自分の生活に合った学びのスタイルを選択できること。通信制高校を選んだ理由を調べた最近の調査では、「自分のペースで学習が進められるから」と答えた人が全体の17.7%、「健康・身体的理由により毎日通学できないから」が全体の8.6%と、26%を越える人が通信制高校のメリットから通信制高校を選んでいるようです。
通信制高校のスタイルは「通学型」と「在宅型」の大きくふたつに分けられます。コースとして様々な学びのスタイルが用意されている通信制高校も多くあります。自分の現在の状態を確認して、どのような学び方がより自分に合っているか考えましょう。
◆通信制高校を卒業
実は、通信高校を選ぶとき一番大切なことは「通信制高校を卒業した後の自分をイメージしてみる」ことです。通信制高校への進学を検討しはじめるきっかけは、不登校などの経験やマイナスの感情から選択するケースが多いと思います。そして高校卒業資格を得るということしか考えられない人が多いように感じます。
通信制高校卒業後がイメージできない場合
現状、不登校などの悩みがある場合、通信制高校で高校卒業資格を取得するところまではイメージできても、その先を考えることは難しいかもしれません。学ぶことが嫌いでない人は、大学進学を考えてみるのもひとつの手段です。大学への進学は、一気に自分の目の前の世界が広がり、将来の選択肢がグンと増えるチャンスでもあります。「不登校の自分には無理」と自分で自分の価値を決めてしまうことなく、個別指導の通信制サポート校などを利用してメンタルケアをしつつ、大学進学を目指してみるのもひとつの道です。
通信制高校の選び方
学校を選ぶ際、必ず3~4校は学校見学に行きましょう。そして先生と生徒の関係や学校の雰囲気、困ったときにどのように対応してくれるのか?等、ちょっとでも疑問や不安を感じていることを何でも聞いてみる事が大切です。
POINT1
通学する距離で選ぶ
一人で勉強を進めていくのは大変です。ですから、定期的に通学して分からないことは先生に聞いて勉強を進めていけるように、通学しやすい学校を選びましょう。
POINT2
サポート体制で選ぶ
不登校等の何らかの理由で通信制高校を選択したのであれば、勉強の指導はもちろん、心のケアと高校卒業後の進路を一緒に考えてもらえる学校選びをしましょう。
POINT3
学べる内容で選ぶ
高校は、社会に出るための準備期間です。ですから「好きな事に打ち込む力」と「嫌いでもすべきことはする力」を身に付けられるように、学校選びをしましょう。
通信制高校を卒業するには、「決められた枚数の課題(レポート)の添削」「スクーリング」「スクーリング時間を減らすための放送視聴」「考査(テスト)」を行い、3年以上の在籍と74単位以上の取得が必要です。
最近の傾向ですが、美容やメイク、漫画や声優など「専門スキルが学べます」といった学校を見かけます。しかし、その授業の質はピンキリです。入学はしたものの専門の授業が少なく、教えてくれる先生も…ちょっと…。とういうケースも少なくありません。二回目の転学や高校を退学しないためにも、安易に学校を選ぶのは辞めましょう。
自分の不登校は、環境が変われば解消するのか考えてみましょう!
自分が抱えている不登校という問題は、環境が変わっただけで解消するものだと思いますか?
もし、いじめが原因だとして、いじめがなくなれば不登校は解消されるのか考えてみてください。「またいじめられるかもしれない」という恐怖心や、他人への不信感はそこにはありませんか? そういった物が心の中に残っている場合は、新しい環境に飛び込んでもうまく人間関係を築くことができない可能性があります。
また、在籍している学校の雰囲気に馴染めなくて不登校になってしまった場合でも、新しい環境に変えたとして、その環境にも馴染めない可能性も捨てきれません。
小さくても不安がある場合は、個別指導の方式を取っているサポート校などを利用して、メンタルケアもしていく必要があるかもしれません。
周囲の期待にこたえようとするよりも、自分の現状を受け入れてくれる通信制高校の選択が二度目の不登校を防ぎます。
不登校になってしまったあなたのご両親や担任の先生は「普通の高校生らしい毎日を送ってくれたら」と願っているかもしれません。あなたはその願いをかなえようと無理をしたり、投げやりになって言われるがままの通信制高校を選択してはいないでしょうか? ご両親や先生はあなたの本当の気持ちを知っている人ですか? 本当の気持ちを打ち明けられる相手はいますか?
もし、ご両親や担任の先生とコミュニケーションがうまく取れず、本当のあなたの気持ちを伝えられないとしたら、まずはメンタルフレンドを得ることが最優先かもしれません。
不登校は一度でも陥るととても辛いです。それを二度も味わうことのないように、自分の現状を受け入れたうえでの選択をしましょう。